現代のクラシック音楽事情

コンサートのプログラムには有名曲を入れないと喜ばれないよ。

 

よく言われています。

 

クラシック音楽なんてごく一部の人たちだけの為のジャンルであって、もはや絶滅の危機にある…とか、そんな音楽を仕事にして生きていくのは無謀だ…

 

と言われています。

 

最後のは僕らのような凡人が生活に追われピーピーわめいているだけだからどうでもよいのですが。

 

そもそもクラシック音楽って今そんなにマズい状況なのでしょうか?

 

「最良のピアニストですら、モーツァルトやハイドンがピアノのための作品を書いたことをほとんど知らないありさまです。みんなベートーヴェンのことは噂でしか知りません。」

 

これ、誰の言葉だと思いますか?

 

メンデルスゾーンですよ。

 

安っぽいサロン音楽ばかりが流行し、本当に質の高い作品には誰も見向きもしない。と、当時ドイツ音楽界での芸術に対する世間一般の関心の低さを嘆いているのです。

 

 

今の時代にモーツァルトやベートーヴェンの曲を聞いたことがない人などいないでしょう。

 

三大ソナタは誰もが唸る素晴らしい作品です。エリーゼやキラキラ星は発表会での憧れの曲となっています。

 

ハイドンが好きという女性が何故か僕の周りには沢山います。それらは名曲と呼ばれ、それらがプログラムにあるとみんな喜ぶのです。

 

今、メンデルスゾーンが自分のヴァイオリン協奏曲がどうなっているのか知ったらどんな顔をするでしょうか、いやそれより昨今の結婚披露宴を見せて差し上げたいものです。

 

僕は現代がクラシック音楽にとって最も喜ばしい時代であることは間違いないと思っています。

 

こうして古典となったものは人が生き続ける限り、忘れ去られることはないでしょう。

 

それより、200年後にも残せる何かを現代の私たちは創造しうるのか、その方が心配です。