弾けない箇所~練習時の落とし穴

弾けない箇所はなくしたい。

もし弾けない箇所があるのであれば、なんとしてでも弾けるようにしたいものです。

 

この先のより素晴らしい音楽体験へと進むためにも、いつまでも弾けない箇所がある、そんなつまらない現状とは早々におさらばしなくてはなりません。

 

「難しいと感じられる箇所、そこにはきっと素晴らしい宝物が埋まっている。」

 

誰の言葉だったでしょうか…

 

その宝物を見つけるために僕らは「練習」するのですが、

そこには誰もが陥りやすい罠がありますからご注意を。

 

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例えば練習時、こんなことはないでしょうか?

 

難しく感じられる箇所がある。それが第25小節目だったとする。そこを練習しなくてはいけないのですが、いざ弾くとなると、25小節目からではなく、そこよりすこし前の、切りの良い箇所からでないと弾くことができない…

 

という症状。

 

これは、身体の感覚にまかせて一か八かで弾いているにすぎない。何度も何度も同じ所に戻っては、結局25小節目で間違える。

時間の無駄です。

 

さらに、勢い、次の26小節目を弾いてしまった…

 

という症状。

 

これをやってしまうと、惰性でどんどん先に進んでしまう。弾ける箇所は気持ちよく進みますが、結局、弾けない箇所は弾けないままになってしまう。時間の無駄です。

 

もちろん音楽には流れがありますから、前後の関係は大切です。1小節だけでは音楽としての意味をなしません。しかし、それはまた別問題であって、件の1小節を無視するのは、噛みまくりの単語を残したまま、台詞の通し練習をしているのと同じではありませんか。

 

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25小節目を練習すると決めたら一日中でも25小節目だけを練習すればいい。

 

遠回りなようで、結局これが1番の近道。そこに宝物があるとわかっていながら、その周りばかりを掘り返す必要がどこにありますか。

 

自分だけの素敵な宝物を見つけたいものです。