本番でのストレスをできるだけ少なくするために、心がけていることを書いてみます。
創造的な演奏を心がける、などというと堅苦しいのですが、要は、日頃の練習やリハーサル、それも特に上手く弾けた練習やリハーサルの演奏を本番で再現しないよう心がけております。
同じように再現しなくては、という考えは自分で自分の首を絞めるようなものです。
本番、緊張した状況で弾くのと、自宅の練習室でひとりリラックスした状態で弾くのとでは、身体の自由度が全く違うのですから、本番にメカニカルな面での完成度が落ちるのは当然のことです。
それを、練習してきたように弾けないから失敗だ、なんて思ってしまうと大変です。負のスパイラルが始まります。
そんなことより、本番では練習の事など忘れて、
白紙の状態から新たに音楽を作っていくのだと考えた方がはるかに創造的ではありませんか。
不思議なものですが、そのような前向きな思考のもとでは、多少ミスをしようが暗譜があやしくなろうが精神的なダメージは遥かに少ないのです。何より音楽を創り上げるという喜びに集中できます。
具体的にやる事としましては、僕の場合ですと、前日の練習や当日のリハーサルで気持ち良く弾きすぎてしまわないように特に注意しています。弾きたいという欲求が本番でピークをむかえられるよう仕向けていきます。
緊張感を味方にできるかどうかの分かれ道は、この辺りにあるのではないでしょうか。