
音符の上や下に付いているちいさな数字、
この指番号はピアノを上手く弾くための大切な道しるべになる。
指使いを守ってくれない子には、
「見て、この曲ならね、指が2本あれば、まあ弾けるよ。」
と言って2本指で弾いてみせます。
そうすると興味深くのぞいてくれるんです。
びっくりしながら笑っているところに、
「でもせっかく5本ずつあるんだから全部使った方が便利だ。そう思わない?」
とかそんなようなことを言いますと、まあなんとか頑張ってやってくれるんです。
2本指の方で(笑)
指番号はとても大切な道しるべだけれど、それが全てではないんだな。
「よい音がでるのなら鼻で弾いたって構わない」とモーツァルト。
「自分にあった指使いを見つけよう」ドビュッシーは楽譜の序文に書きました。
ピアノの魔術師リストは、普通なら先生に怒られちゃいそうなとんでもない指番号を敢えて要求します。
別になんでもいいんですよ指番号なんて、その曲が素晴らしく美しく演奏できるのであれば。美しくない場合は見直したほうがよいから、僕もしつこくしつこく言うし、できるまでやってもらう。
でも音階を12345454〜とか弾いてしまう程度では、僕は咎めませんよ。きっと将来ショパンのエチュードop.10-2が得意になるんじゃないかと密かに期待します。