ショパンの音楽には雨が合いますね。
ふとレッスン中に生徒さんのおっしゃったひとことが頭に残っております。
特にこの部分が…
というその曲は名作ノクターン作品9-2
古今老若男女問わず、人気のピアノ曲というのは沢山ございますけれども、これもなかなかの人気ぶりです。
雨だからって、雨だれプレリュードではないのですね。
さて、いざこのノクターンは弾いてみるとなかなか難しいのですよね。左手をよくさらうように、とショパンは言っています。
ここで難しさについてあれこれ書くのも気持ちのよいものではございませんから、今日はこの曲の魅力のひとつでもある即興的なパッセージについて。
楽譜によっては、普段耳慣れたものとは異なる、この曲の別稿なるものが収録されているものがあります。その別稿には一見ド派手なこんな装飾があるのです。
ショパンは自分の曲を生徒にレッスンするとき、ここはこんな風に弾いてもよいですよ?と新たに音符を書き足すこがしばしばあったそうです。そのひとつが、これらの見慣れない細かな装飾音符なのですね。
追記された音達を辿っていくと、ショパンが求めた響きの根源が見えるような気がします。
実際の演奏でもこうしたパッセージをさらりと取り入れたら素敵ですね。やはり皆さんこれを弾いてみたいとおっしゃいますもの。
よく知られたこの曲の今まで見えなかった姿が明らかになって面白いですよ。